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#4 天上天下うんたらかんたら

last update Last Updated: 2025-06-05 13:39:45

 我、爆誕☆

 え?ちょっと待って!滑った!?マジで!嘘でしょ!渾身のボケなのに……

 右手で天井指さして、左手を地面指さしてっと。い、いくぞ?言っちゃうぞ?ほ、ほんとに言うからな!すぅぅぅぅぅーはぁぁぁぁぁ……よし!

「|天上天下《てんちょうてんちぇ》……う、うんたりゃかんちゃら!」

 後半忘れた!てかあれだっけ?何歩か歩いてから言うんだっけ?あぁー!こんなことならしっかり調べとけば良かった!まぁ別に悟りを開く予定があるわけでもないしいいや。

「天才だぁ!まだ産まれたばかりのなのに言葉を喋って何かを伝えようとしているぞ!メイリー!メイリー!僕らの子は天才みたいだ!」

 そんなこんなでクソどうでもいいことを考えている間にも時間は流れていく。ちゃんと時間が流れているはずなのに頭なでなでが終わらない。今世のお母様?お父様?禿げちゃうのでそろそろ終わりにしてください。え?ほんとに時間流れてる?同じ時間を繰り返してたりしない?動画の最初と終わりを上手いこと繋げたショート動画みたいになってない?大丈夫そ?

「そうね、貴方!こんなに賢い子なんだもの!きっと立派な魔法使いになるわ!魔法書を読み聞かせしてみようかしら!」

 さて、こうして無事産まれたわけだが……よくあるテンプレ小説なら必死に身体を動かせるようにしたり魔法を使うための特訓をするんだろう。だが、俺は違う。成長障害のリスクを無視するわけにはいかないからだ。俺はイヤだぞ!低身長のままは!避けられるリスクはきちんと避ける。これが異世界生活の常識だ。

「それはいい!僕は兵法書を読み聞かせようか……。いや、魔物図鑑の方がいいだろうか……。」

「何言ってるの?貴方はお仕事で忙しいでしょうし読み聞かせは私がやります!」

 この命が前世に比べて軽い世界では少しの油断が命取りになるのだ。ゲームと違って死んだらそれまでなのだ。謙虚堅実に、かつ最高効率で強くなる。弱さは罪なのだから。今何ができるかを常に考え続けなければならない。それがこの世界で生きるということなのだ。

「いや、でも……」

「いやもでももありません!この子産まれる時にあたふたしていたせいで溜まった仕事もまだあるんでしょ?」

 話は戻るがこの貧弱な身体でなにをすべきかなのだが……結論から言うと『勉強』だ。

「わかった……仕事してくるよ。可愛い可愛い僕たちのミシェル。執務室で仕事してるからいつでも遊びにおいで。美味しいお菓子も準備しておくからね。」

 俺は……この世界の攻略チャートを作る!

追伸 今世の俺の名前ってミシェルらしいね。

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  • 異世界行っても引きこもる〜悠々自適な引きこもり人形使いライフ〜   #23 ポンコツ

     今日が運命の日。とはいえ今日じたばたしたところで結果は良くならない。故に、極めて冷静に。かつ普段通りの行動を心掛けるべきだろう。「ミシェル様?試験の準備の方は大丈夫ですか?」「あああアーシャか。ももももちろんだとも。冷静沈着で天才なこの僕が緊張するなどあああ有り得ない。よよよゆーで満点だとも。」 これのどこに大丈夫な要素があると言うのか。ミシェルの専属メイドとして主人に全幅の信頼を寄せているアーシャといえど全く信じることができない。「かなり動揺しているご様子ですのでこちらこお茶でもお飲みになってください。」「う、うむ。助かるよ。ふぅ……落ち着いた。ありがとなアーシャ。ここここれで満点で最年少首席はかかか確実だな。」 ミシェル様、手がプルップルでございます。そろそろ落ち着いていただきたい。とはいえ今回の試験は満点を取ったところで殿下の点数次第で首席になれるか分からないという結果を第三者に託したもの。緊張するのも無理はないですかね。「動揺から立ち直れていませよミシェル様。動揺のあまりメザメドリのようになっております。いい加減落ち着いてくださいませ。」※メザメドリ:この世界におけるニワトリのような生き物。朝になると「起きろ寝坊助!起きろ寝坊助!」と鳴き続けるため住民からは嫌われている。肉と卵が美味い。「そ、そんな言うことないだろ!この僕だぞ?た、多少動揺したところで頭に入っている知識が抜け落ちるなんてことあるわけがない。つまり今回の試はパーフェクトだ!」 なにを言っているのだこのうっかり主人は。「そこを心配してはいないのです。動揺のあまり解答欄を間違えて全ズレをしてしまわないか心配なのです。」「この僕がそんな間違いするわけがないだろ!」 両手で数えきれないほどやっていたではありませんか。緊張した主様はただのポンコツみたいです。やっぱりしっかり者の私がいないとダメみたいですね。「少しは落ち着いたようですね。解答欄を間違える件に関しては試験勉強中に前科が多数ありますし、ミシェル様はおっちょこちょいなところがあるので本気で気を付けてくださいませ。それと……」「それと?」 全然気付いていないようですし、はっきり言っておきましょうか。「先程からキャラが迷子でございます。」

  • 異世界行っても引きこもる〜悠々自適な引きこもり人形使いライフ〜   #22 明日じゃねぇか!

     何点くらい取れれば首席になれるのだろうか。そもそも侯爵家の自分が首席にさせてもらえるのだろうか。僕と同じタイミングで試験を受ける王子殿下もいると聞くし、国としてはその殿下に首席を取ってもらいたいだろう。 父様もそれなりに高い地位にいるらしいしそこまであからさまな忖度はないとは思う。だがもし殿下と僕の点が僅差なら?もし僕と殿下が同点なら?いくら政治から独立した都市とは言ってもきっと学校側は僕より殿下を首席にするだろう。 となるとだ。満点を取るのは当然として、僕にできるのは殿下が一問でいいからミスをするようお祈りをすることくらいだ。この受験戦争、なかなかにクソゲーではないだろうか。願わくば試験問題の難易度が上がりますように。 殿下を抜いて首席を取ってしまえば悪目立ちするのでは?いや、勉強を頑張っている者というのは教師から気に入られるもの。首席になって殿下の取り巻きにだる絡みされたときのことはそのとき考えればいい。試験はまだ先だしね。それに優秀な生徒でいれば殿下からも目をかけていただけるだろう。政治は面倒だ。ただ、こと学内において王族の庇護と侯爵家次男の地位があれば安泰であろう。 面倒ごとは嫌いだし、王族と関わってしまえばろくなことにならないのは承知の上だ。だが、貴族にとっての学校とは勉学に励む場であると同時に伝手を作る場でもある以上やるしかない。引きこもりに必要なものは人脈なのだから。 だから一生懸命身代わりの御分霊の操作をする。まぁ先のことだから気にしたってしょうがないのだがな。そう試験はまだ先。試験まであと21時間もある。21時間……21時間!?明日じゃないか!「明日じゃねぇかぁ!」 前言撤回。全然先のことじゃなかったわ。めちゃくちゃ時間ないやんけ……。父様の用事があるだかで早めに学術都市の別邸に来ていたから良かったけど父様の用事なかったら間に合わずに詰んでたんじゃねぇか?いや、さすがに僕以外にそんな初歩的なミスをする人はうちにはいないか。「いや〜超焦った……。」

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